簡単!高精度!RTKでもう迷わない。ドローン測量のスターターガイド

2025年最新のドローン測量事情

ドローン測量は「操作が難しそう」「測量の精度が不安」「編集作業に手間がかかりそう」というネガティブイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。それこそ従来の空中写真測量は、測量基準点(GCP)の設置や高度な解析ソフトの操作が必要で、初心者には敷居が高いものでした。しかし、近年ではRTK(リアルタイムキネマティック)機能を搭載した高性能ドローンの登場で、簡単な操作で数cm単位の高精度測量が可能となり、現場の負担が大幅に軽減されています。実際に、国内におけるドローンの活用は着実に広がっており、2022年度の飛行許可・承認件数は規制緩和の影響を受けて90,000件を超え、翌2023年度は一時的に減少したものの、2024年度には93,879件と過去最多を更新しました。


出所:インプレス総合研究所(国内のドローンビジネス市場規模の予測)

RTK搭載ドローンって何がすごい?

リアルタイム補正でズレない!

RTK(リアルタイムキネマティック)とは、GNSS衛星からの信号をリアルタイムで補正し、測位精度を数cm単位まで高める技術です。従来の単独測位(GPS)では数mの誤差が生じていましたが、RTKを使用することで土木測量・構造物点検・農業分野などでの高精度化が可能になります。

従来の測量方法との違い

これまでの測量方法といえば、PPK(事後処理キネマティック)やGCP(地上基準点)が一般的でした。これら従来の測量方法とRTKを現場に応じて使い分けや併用することが、測量効率化のカギとなります。

  • RTK(リアルタイムキネマティック)
    通信によるリアルタイムで高精度な位置情報が取得でき、現場で即時に精度の高い測量が可能です。通信環境が整った現場に向いています。
  • PPK(事後処理キネマティック)
    後処理により高精度測位を実現する手法です。通信環境が必要ないため、山間部・森林・長距離飛行の現場に向いています。
  • GCP(地上基準点)
    写真測量による誤差の精度補正に使う地上に設置する物理的な目印です。設置や回収が必要ですが、通信環境が必要なく、安定的な測量が可能です。

ドローン測量を始める前に知っておきたい!機種選びの8つのポイント

RTK搭載ドローンの導入にあたっては、「どの機種を選ぶか」が測量の精度・作業効率・安全性に大きく関わってきます。高性能なドローンほど優れた機能を備えていますが、全ての現場に最適というわけではなく、現場の規模や地形、運用者のスキル、求められる精度などによって、選ぶべきポイントが変わります。とくに初心者の方は、「とりあえず高機能なものを選ぶ」よりも、自社の用途や現場条件に合った機種を見極めることが、失敗しない導入の第一歩です。ここでは、ドローン測量を検討するうえで知っておきたい「8つの選定ポイント」を、わかりやすく整理しました。これをチェックしておけば、機種選びに迷うことなく、自信を持って選択できます。

  • RTK精度
    ±1〜3cmが目安。公共座標系対応が必要な場合も考慮すること。
  • 飛行可能時間
    30分以上が望ましく、広範囲の測量では40分以上あると効率的。
  • カメラ性能
    1インチ以上のセンサーでメカニカルシャッターを搭載していること。
  • 操作性
    自動飛行や地形追従機能があり、初心者でも操作しやすいUIが備わっていること。
  • 通信環境
    RTKには安定したNTRIP通信や基地局とのリンクが必須。
  • 現場適応性
    持ち運びやすさ・耐風性能・雨天対応など、現場環境に応じた機体性能を確認すること。
  • ソフト互換性
    点群編集・解析ソフト(例:「くみき」「TREND-POINT」)との互換性があること。
  • サポート体制
    国内サポート・修理対応・保険の有無など、導入後の保守面も重要。

【比較表】測量・土木向けおすすめ!RTK搭載ドローン3機種

以下の機種は、特に測量・土木業向けに実績と信頼のあるドローンです。

  •  Mavic 3 Enterprise:コンパクト&高精度
    初心者にも扱いやすく、中規模現場に最適。RTK搭載+メカシャッターの20MPカメラで、GCP削減可能であり、公共測量レベルの精度を確保。Phantom 4 RTKの実質的な後継機で、操作性+携帯性+精度の三拍子が揃ったバランスモデル。
  •  Matrice300 RTK:本格派仕様
    プロ仕様の重装備対応機。P1カメラやLiDARと組み合わせることで、高精度かつ広範囲な測量に対応。長時間飛行や耐環境性能も高く、大規模土木・構造物調査・点検計測など、精度検証の求められる工事に最適。ただしペイロード購入など導入コストは高め。
  • Phantom4 RTK:老舗の信頼性
    測量専用に設計されたロングセラーモデル。RTK+TimeSyncによる位置精度の信頼性が高く、多くの自治体+建設現場で導入実績あり。現在は生産終了ながら、中古市場で流通しており、コストを抑えつつ確かな精度を求める現場に依然として人気。

本比較表は、「位置の精度を高くしたいときはRTK掲載のドローン!測位方法やメリットも徹底解説!」(株式会社スカイマティクス)を元に編集・加工して作成しています。

「くみき」&「TREND-POINT」で作業時間を一気に短縮

ドローンで撮影した画像をどのように処理・活用するかは、測量の成果や作業時間に直結します。従来は、専用ソフトのインストールやPCスペックの確保、煩雑な設定作業が必要でしたが、現在はクラウドと自動処理を活用したソリューションが登場し、誰でも簡単に点群データを扱えるようになりました。今回は、国産クラウド型ドローン測量サービス「くみき」と、3D点群処理システム「TREND-POINT」の連携をご紹介します。測量後の解析・編集・図面化まで、手間なく一貫して行えるため、現場からオフィスまでの作業フローを大きく効率化できます。

実際の業務フロー例

実際の業務では、以下のようなシンプルな流れで成果物まで作成可能です。

  1. RTK搭載ドローンで自動飛行による撮影
  2. 撮影画像を「くみき」にアップロード
  3. 自動的に解析・点群データ生成
  4. TREND-POINTで詳細編集・数量算出
  5. 図面作成や報告書出力まで完結

「くみき」が点群生成の自動化とクラウド管理を、「TREND-POINT」が本格的な点群編集・数量計算を担うことで、分業化や属人化のリスクも減り、誰でも扱える測量体制が構築できます。

「くみき」の特徴

「くみき」は、ドローン測量初心者でも直感的に使えるクラウド型サービスです。
操作もシンプルで、ブラウザからアクセスできるため、特別な機材やPCを用意する必要もありません。

  • ドローンで撮影した画像をアップロードするだけで、自動で点群を生成
  • クラウドベースでブラウザから簡単に操作可能
  • 点群データの自動分類や断面生成などの補助機能も充実

これにより、”現場で撮影したデータをすぐアップロードすれば、オフィスに戻るころには解析が完了している”といった効率的な使い方が可能になります。

「TREND-POINT」との連携でさらに効率化

点群の解析・編集作業には「TREND-POINT」との連携が欠かせません。「くみき」で生成したデータをスムーズに取り込み、次のような本格的な処理が可能です。

  • 点群データの詳細編集や不要点の削除
  • 地形図の自動作成や断面計測
  • 面積・体積などの数量算出
  • 図面・帳票の出力(Excel・PDF対応)

初心者でも視覚的にわかりやすいインターフェースと、クラウド管理による業務の省力化で、測量のワークフロー全体を大きく変えるソリューションです。

初心者こそRTK搭載ドローンとクラウドで失敗しない測量スタートを

初心者でも扱いやすいRTK対応機種は増えており、ドローン本体と「くみき」「TREND-POINT」などのソフトを適切に組み合わせることで、測量・点群処理の効率化が実現できます。
まずは無料相談やデモを活用し、自社業務に最適な組み合わせを見つけることが成功への第一歩です。


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